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文書作成日:2017/11/20


 今回は相談事例を通じて、生命保険金と相続放棄についてご紹介します




 亡くなった父に、どれだけ債務があるのか分からなかったので相続放棄をしたのですが、受取人が私になっている生命保険金があることが分かりました。相続放棄をしてしまったら、もう受け取ることはできないのでしょうか?
 また、生命保険金の受取人が特定の人の名前ではなく「相続人」となっていた場合はどうでしょうか?




 受取人として特定の者が指定されている場合、保険契約の効果として、生命保険金請求権を固有の権利として取得します。つまり、受取人に支払われる生命保険金は受取人の固有の財産となり、相続財産には含まれません。
 ですから、受取人である質問者様が相続放棄をしたとしても、生命保険金を受け取る権利はあくまで固有の財産であって被相続人の相続財産となるものではありませんから、生命保険金を受け取っていただくことができます。




 生命保険金の受取人が特定の人の名前ではなく「相続人」となっていた場合ですが、相続放棄をしてしまうと相続人ではなくなるので、受取人から外されてしまうのではないかとも思えるかもしれません。
 「相続人」の解釈は複数ありますが、最高裁は「保険金請求権発生当時の相続人たるべき個人を指す」といっており、「保険金請求権」は、相続財産とはならない受取人固有の権利であると考えられています。
 また、「保険金請求権発生当時の相続人たるべき個人」とは、死亡の時にその保険の契約者の相続人たりえた者を指し、その後も放棄をせず相続人であり続ける者を意味するものではないと考えられているため、相続放棄をした相続人も受取人になれます。

 ちなみに、上述のとおり生命保険金は受取人の固有の財産となり相続財産ではありませんが、税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税の対象となり、これは相続放棄をした場合でも同じです。被相続人の相続財産(保険金の受取額を含む)が基礎控除を超えるときは相続放棄をした場合でも申告納税の義務を負います。

 なお、相続人が受け取る生命保険金には一定の非課税の範囲が認められますが、相続放棄をした者には適用されないので注意してください。


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